2022 年卒者の就職活動状況・2023 年卒者への就職支援・インターンシップ等への意見など、全国の大学の就職課・キャリアセンターを対象に多岐にわたる項目を調査し分析した結果をディスコが発表しました。
2022卒の内定状況について
昨年(2021年卒者)はコロナ禍の影響で内定状況が急速に低下しましたが、今年は企業の採用意欲に回復基調が見られ、内定状況の改善を実感している大学が増え、例年に戻りつつあります。
しかし、「例年に比べるとやや低下している」と実感している学校も。
多くの大学で、3 年次前期(2020 年春期)の就職ガイダ ンスの中止や延期を余儀なくされたことが、就職活動への取り組みの遅れにつながり、結果的に内定状況に影響したと感じる大学が多いようです。
一方で、求人数は「減っている」(36.3%) が「増えている」(11.2%)を大きく上回る結果に。
企業の来訪数は、オンラインを含めても約 6 割の大学が「減っている」と回答しました。
2022卒の採用市場の見方について
就職・キャリア支援担当者として、採用市場をどのように見ているかを尋ねたところ、学生に優位な「売り手市場」という見方が昨年に比べて回復しているものの、2年前と比べると「売り手市場だと思わない」という見方がまだまだ多い傾向が見られました。
2022卒者からの相談内容について
学生からの相談については、従来の面接対策に加え、オンライン面接に関する相談が増加したと多数が回答。
また、「内定辞退に関する相談」について、4校に1校が増えたと回答しています。
つまり、内定状況が厳しい一方で、複数社から内定を得て選択に困る学生も存在するという、二極化が見られるのです。
相談の増加について、「学生間の情報交換が減っている」と感じている学校もあるようです。
2023年卒者向けの就職ガイダンスの傾向について
2022卒において、7割以上の学校が「学生の就職状況の把握」を就職支援の課題と挙げています。
これを受けて2023 年卒者への就職支援としては、就職ガイダンスの実施時期を「早める」と回答した大学が25.5%、そしてガイダンスの回数を「増やす」と回答している大学が23.2%と、ガイダンスの早期化・増加傾向にあることがわかります。
具体的な実施時期 (予定も含む)としては、3年次の4月と5月が前年より大幅に増加。実施形式については「オンライン(ライブ配信)」が 7 割を超え、「会場型/対面」を大きく上回る結果になりました。採用広報解禁前の学内セミナー(業界・企業研究セミナー)の実施については「実施する」が約8割と大半を占めました。
中には「2021・2022年卒者がコロナ禍により苦戦する姿を見て、早期から動き出している学生が多い」という意見も見られました。
さらに、学生のインターシップの参加について「積極的に参加したほうがいい」 という大学側の意見が8 割を超えていることから、企業としてはこのような学生の動きを新卒採用に活かしていくことが鍵となりそうです。
2023年卒者向けのキャリア支援の傾向について
低学年(2024 年卒以降)向けの今年度のキャリア支援を「実施する」大学は 7 割強で、実施形式は、ガイダンスなどの「正課以外の講座を実施」が圧倒的に多い結果となりました。
実施内容としては、キャリア入門・キャリアデザイン等の「職業観の涵養」を軸にしながらも、2年生になると「インターンシップ講座」「業界研究講座」などの就職活動を見据えた、より実践的なプログラムを実施しているとのことです。
キャリア支援の講座を、必修科目や選択科目といった「正課」として実施する大学も一定数見られました。
コロナの影響で早期化する就職活動において、キャリアコンサルタントなどのキャリアの専門家の役割は大きいと思います。各大学においても質の高いキャリア支援が求められます。
『大学の就職・キャリア支援活動に関する調査』の全容はこちら↓