転職後に「満足」と感じている転職者が多い傾向に!【転職者実態調査(厚生労働省)】

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厚生労働省は11月8日、「令和2年転職者実態調査」の結果を公表しました。

「転職者実態調査」とは
転職者の採用状況、就業意識等の実態を把握することを目的とした調査です。5人以上の常用労働者を雇用する約1万7000事業所、転職者約1万人が対象。

今回の調査では、転職後に「満足」と感じている人が、「不満足」と感じている人を大幅に上回る結果となりました。

事業者を対象とした「事業所調査」と個人を対象とした「個人調査」が行われたので、それぞれの概要をお伝えします。

目次

【事業所調査】 「3年以内に転職者を採用予定」という事業所が5割超え

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一般労働者(いわゆるフルタイム労働者)がいる事業所のうち、雇用期間に関わらずに転職者がいる事業所の割合は7割を超える結果となりました。

産業別にみると、「運輸業,郵便業」、 「鉱業,採石業,砂利採取業」、「学術研究,専門・技術サービス業」が転職者が多い結果に。

転職者を採用する理由(3つまでの複数回答)を職種ごとにみると、「管理的な仕事」及び「専門的・技術的な仕事」は「経験を活かし即戦力になるから」及び「専門知識・能力があるから」の割合が高く、その他の職種は「離職者の補充のため」の割合が高い結果でした。

一方で、転職者を採用する際の問題の有無をみると、「問題がある」事業所割合が 84. 1%という結果が明らかになりました。

問題内容(複数回答)としては、「必要な職種に応募してくる人が少ないこと」が 67. 2%と最も高く、次いで、「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこ と」が 38. 8%、「採用時の賃金水準や処遇の決め方」が 32. 3%となっています。

それでも、今後3年間に転職者を採用する予定がある事業所割合は53. 3%であり、このうち、「転職者を優先して採用したい」が 35. 7%、「新規学卒者を優先して採用したい」が 12. 3%とのことで、転職者を求める割合が高いのがわかります。

産業別にみると、「転職者を優先して採用したい」は「運輸業,郵便業」が 55. 6%で最も高く、 次いで「鉱業,採石業,砂利採取業」が 51. 6%、「サービス業( 他に分類されないもの) 」が 50. 7% でした。

【個人調査】転職後に「満足」と感じている転職者が多い傾向

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続いては、転職者に対する調査です。

転職者が直前の勤め先を離職した主な理由は、「自己都合」が 76. 6%と最も高い結果でした。

「自己都合」による離職理由(3つまでの複数回答)としては、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が 28. 2%で最も高く、次いで「満足のいく仕事内容でなかったから」が26. 0%、「賃金が低かったから」が 23. 8%となっています。

転職者が現在の勤め先に就職するためにどのような方法で転職活動を行ったか(複数回答)を みると、「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が 39.4%と最も高く、次いで「ハロ ーワーク等の公的機関」が 34. 3%、「縁故(知人、友人等)」が 26. 8%となっています。

転職者が具体的に転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間をみると、「1か月以上3か月未満」が 28. 8%、「転職活動期間なし」が 23. 6%、「1か月未満」が 18. 3%となっています。

さらに、転職者が直前の勤め先を辞めてから現在の勤め先に就職するまでの期間をみると、「1か月未満」が 27. 6%、「離職期間なし」が 26. 1%、「1か月以上2か月未満」が 13. 3%とという結果でした。

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転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)は、「仕事の内容・職種に満足 がいくから」が 41. 0%で最も高く、次いで「自分の技能・能力が活かせるから」が 36. 0%、 「労働条件(賃金以外)がよいから」が 26. 0%となっています。

転職者の現在の勤め先における職業生活全体の満足度を測るD. I . (「満足」-「不満足」)は、42. 0 ポイントであり、男が46. 5 ポイント、女が35. 9 ポイントとなっていることから、転職後に満足と感じている転職者が多い傾向にあります

満足度項目ごとにみると、全ての項目で「満足」が「不満足」を上回っているが、「仕事内容・ 職種」が 60. 5 ポイントと最も高く、「賃金」が 19. 5 ポイントと最も低くなっている。

賃金が転職によりどのように変化したかをみると、賃金が「増加した」が 39. 0%、「減少した」が 40. 1%、「変わらない」が 20. 2%となっています。

D. I . (「賃金が増加した転職者割合」-「賃金が減少した転職者割合」)をみると、20 歳以上から49 歳以下の年齢階級ではプラス、15 歳以上 19 歳以下、50 歳以上の年齢階級ではマイナスとなっ ています。

今回の結果を受けて、転職したことに満足と感じているが、それは賃金の上昇ではなく、仕事内容自体に満足しているという傾向が高いことがわかりました。

ただ賃金を追い求めるのではなく、「働きがい」や「働きやすさ」に焦点を置くことこそ、今の働き方が象徴されているのではないでしょうか。

詳しくは厚生労働省のHPでチェックしていただければと思います。

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